釉薬調合のお話

相変わらず、ちょこちょこと釉薬のテストピースを作っています。

釉薬の基本といえば、
7:3

長石7で灰が3の釉薬は「土灰釉」といって、まあそれなりに安定して透明釉になります。
ですが、少し扱いが悪い(沈殿するとか)しアクセントもつけたいので、そこにちょこちょこ手を加えます。

で、基礎釉ができるわけですが、単純な調合なので原料を何にするかで結構変わります。そこに酸化金属を加えたりすると特に。そして「天然の灰」となるとなかなか安定しないのです。

昔の(今も?)伊万里焼はその灰を宮崎のイスノキから作っていたそうで、イスノキというのはウバメガシの親戚みたいなもので、確か加藤唐九郎はウバメガシの灰で「黄瀬戸」を焼いていたそうですが、結構重たい木です(密度が詰まっている)。

なぜその木の灰かというと、すごく鉄分が少ないのです。
松の木には鉄分が非常に多く(灰の中では)のですが、みんなそれなりに鉄分を含んでいるのです。

やっぱり、体には鉄分が必要なのですね。
で、イスノキは鉄分が少ない、…サイボーグなのか?

その灰で作った釉薬は綺麗な透明釉で(灰釉にしては抜群に)、上絵の食い込みがすごくいいそうです。
そこにたどりついたんが、ホントにすごいですよね。

こちらはざっくりどこの木かわからんブレンド灰=「土灰」なんですけどね。
でもこの「土灰」というのが気に入っていたりします。
サラブレットというより雑種とか。
まあサラブレットも良かったりしますが(どっちやねん)。

昔はいかに均一に塗るかといいことを考えていましたが、いまは「不均一こそ素晴らしい」に至りました

最後まで、読んでいただきありがとうございます。