大西政太郎先生の思い出②

前回はこちらです。「大西政太郎先生の思い出①

さて、大西先生の授業の最初は何やったかなと考えたら、
そうそう、ゼーゲル式やったんと違うかな。
このゼーゲルと言う人は確か「ゼーゲルコーン」の人と同じで、
すごく有名な人やと思います。(たぶん)

この「ゼーゲル式」というのは、原料を分析してこの成分がこんだけ入ってますよというのを元にして、この温度帯で焼くとこんな感じで釉薬の釉調が分布してますよ、という図から自分が狙う感じの釉薬を、モル比を使って原料を割り出すのに使います。
長石〇〇%石灰〇〇%カオリン〇〇%珪石〇〇%とか
すごいですね、数式から原料の配合がわかるんです。
(こんなんやったかな?うろ覚え→めちゃいい加減)

で、計算式では見事に狙った釉薬が出来上がります。
実際以前調合に行き詰まった釉薬が、ゼーゲル式を使って見事に出現しました。
(やったー)
ですから、ゼーゲル式はすごいんです、ほんと。

しかし、すごいやつにも弱点はあります。
まず個人で手に入れた原料の成分が、細かくわからないということ。
特に、自然界から手に入れたのは一体どれを参考にしたらいいんやー、で近似値を探しきれないです。
だから、いわゆる「福島長石」のブランドで使う分にはいいですが、掘ったり、燃やしたりしたやつは苦労するというか使えません。

ちなみにもう福島では「長石」は採石していないみたいで、いろいろな長石をブレンドして在りし日の「福島長石」の成分にしているみたいです。
(まあ、それはそれでいいんですけどね。)

で前に、どっかの試験場に問い合わせたことがあるのですが、分析には随分とお金がかかるようなことを言われました。
ですから、今ここにある「これ」の成分がわからないということです。

次に、本とかに載っている「ゼーゲルの図(?)」は例えば1230度のはあるけど、50度のやつは載っていなかったりします。
たぶん、試験場とかにはあると思うのですが、見せてもらいに行ったことはないです。(ああそうか、行けばいいのか)

でなかなか個人では使いこなせないなと認識してしまっています、申し訳ありませんゼーゲルさん。

でも、この時代なのでもしかしたら「アレク◯、この長石の成分は?」と聞いて「はい、なになにですよ」と教えてくれる時がくるかもしれません。
というか、その時には「こんな感じの釉薬の調合は?」と聞けばいいんや!

でも「売れ筋は?」とか聞いて教えてもらえるようになったら、焼きもんもつまらなくはなりますよね。

やっぱり、こつこつテストピース作りをするのか。

「アレク◯、人間ってなんで生きてるんかな」
「それは、あ・な・た自身のことですか?」

今日はここまで。

最後まで、読んでいただきありがとうございます。